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UZI「T-Pablow 怖すぎ」
R-指定「怖っ!」


T-PablowのHIP HOPに対する思い、「HIP HOPを文化へ」という彼の思いと、その活動の中で今のHIP HOP界隈で感じる彼なりの「もどかしさ」がバトルにて語られました。その中には晋平太のやり方に対する不満もあって・・。
今日のバトルから、ラッパーたちの抱える「HIP HOPを文化として残したい、でもそのためにはアングラの文化が失われてしまうかもしれない」という葛藤についても考えてみました。ラッパーたちにとって、「HIP HOPを広める」とは何を意味する行為なのか。当たり前のことを書いています(笑)

3RD BATTLE STAGE ROUND1 Beat:YBKMN/Mr.MUSICIAN×韻踏合組合

0:30あたりからが使用されたビート

<モンスター T-Pablow:1ターン目>
HIP HOPは文化だブームじゃねぇ
てめぇらがクソだせぇもんにしてんじゃね?
クソダサいラップのCMしない
腐っても鯛でいたいのが俺のスタイル
一本100万円のラップのCM
俺オファー何本蹴った?
その代わりラッパーってのは
この場所でカッコイイバースを蹴んだよ


<チャレンジャー 晋平太:1ターン目>
ブームに乗って増えてくれる皆のための文化じゃね?
それ突き放す しかも王様が自分から え?
コマーシャル蹴った?コマーシャル出てる
コマーシャルレベルのラップ
こましゃくれてるけど困っちゃってんのお前でしょ?


<モンスター T-Pablow:2ターン目>
はい 確かにHIPHOPを広める事は大事 
けど本当に大事なのは広める事よりも広め方
金稼ぐ事よりも金の稼ぎ方
武士は食わねど高楊枝
金がねぇんだったら切腹しろ
B-BOYは金ねぇ時こそ胸を張る
その後成功に腕を伸ばす


<チャレンジャー 晋平太:2ターン目>
お前が切腹しろ もうちょいBeatとSEXしろ
胸を張るワル 遠慮なく言うが 
東村山から遥々お前の自慢聞きに来たワケじゃないの
お前のアルバム売れなきゃおかしい
プラチナムでもミニマムなのに粋がる?


<モンスター T-Pablow:3ターン目>
アルバム 俺ならしてくぜこの場で活躍
T-Pablowと書いて読み方はYoung Cash
つまり若い金だぜ?おめぇとは違ぇんだよ
俺はブームを作ってる側なんだよ
絶対に俺はよ文化は捨てねぇ
HIP HOPって生き方だ
ラッパーに大事なのは死に方だ


<チャレンジャー 晋平太:3ターン目>
ブームを作ってんだろ?俺と一緒じゃん
ルールを守ってスクールのようにオールドスクールからゴールを作る
だから俺はずっとここにいる 
オールドじゃなくてゴールドスクール
晋平太と書いて 晋平太と読む 俺は別名なんか使わないぜ
無駄なバースは歌わないぜ


<終>

審査結果:モンスター1票(ERONE) チャレンジャー4票

※こましゃくれてる:子供の言動が大人びている
晋平太のT-Pablowに対する強烈な皮肉。多分「中坊がらしいこと言ってんな(笑)」ってぐらいのニュアンスでしょうか。「コマーシャルレベル」のつなぎの高度なライミングと、バトルとしては強烈なパンチラインですね。でもこましゃくれてるって言葉よく知ってんな(笑)
ちなみに、T-Pablowが晋平太に言った「クソダサいラップのCMしない」の晋平太のCMの代表例、貼っておきます。
 
ラッパーはバトルのスタイルも十人十色ですけど、彼らの「成り上がり方」にも各々の美学がありますよね。フリースタイルダンジョンに出る出ないにもラッパーたちの哲学が関わっています。漢たちのように「HIP HOPを文化にするためなら地上波に」という考えもあれば、MOL53のように地上波には一貫して出ないというスタンスでこの番組に出ない者もいます。アングラ的な哲学があって、その点でラッパー同士でも対立していることは多々あります。

T-Pablowが晋平太に対して最初から全開でブチギレてるのは、「T-PablowのHIP HOPの哲学」と「晋平太のHIP HOPの広め方」がよっぽど相反するものなんでしょうね。晋平太のやっている事は、「T-Pablowの中のHIP HOPらしさの広め方」の中で「ヨゴレ」であり、「HIP HOPの概念に大きな誤解を与えるもの」なんでしょうね。「腐っても鯛でいたいのが俺のスタイル」からも分かりますが、「俺の憧れるHIP HOPって奴を安売りして格を下げてんじゃねえよ!!」ってことだと思ってます。

勝敗に関してはKEN THE 390の解説「ライミングの差」に納得です。あとは「こましゃくれてる」がウマすぎたかなと個人的に思います。

3RD BATTLE STAGE ROUND2 Beat:ビートモクソモネェカラキキナ2016REMIX Feat,Zeebra&AK-69/DJ RYOW


<チャレンジャー 晋平太:1ターン目>
ビートもクソもねぇから聞きな
気をつけな 口の聞き方 ラップの進め方
お前がなんねぇでどうすんだ みんなの味方
掴む胸ぐら 俺が追い込まれてる 
ゆらゆらしても俺はMother Fuckerだ クラブが何だ?
部活じゃねぇHIP HOP復活させてぇのは俺もだ


<モンスター T-Pablow:1ターン目>
HIP HOP復活させてぇ割にはよォ
クソダセェ事しかテメェやってねぇんじゃねぇの?
俺は先代の気持ちまで背負うぜ
お前できねぇだろ TOKONA-Xに顔向け
そうだろテメェ どんだけダセェ事やってんだ
クソダセェから死んじまえよ
テメェみてぇに俺は絶対信念曲げねぇんだ
中卒でタトゥーだらけのラッパー 人生賭けてんだよ


<チャレンジャー 晋平太:2ターン目>
ダセェ カッケェ 100年経って お前がやって 何喋ってんの?
TOKONA-Xに顔向け?お前の下手なラップより十分できるぜ
憧れ?Jay-ZやBiggie 成りたがり
お前は成り上がりじゃない 成りたがり
成れたらいいね TOKONA-Xの生まれ変わり


<モンスター T-Pablow:2ターン目>
生まれ変わりになりてぇって言ってねぇんだ
俺は成り上がんだ テメェはクソダセェ以外に何があんだ
こいつは本当に嘘みたい
だってフロウも新鮮じゃなきゃラップもほんとクソみたい
あとテメェから触ってきたんだからな?おいこの野郎
テメェあとでさらっちまうぞこのクソガキこの野郎がよ
しゃらくせえ事言ってんじゃねぇぞ
ガタガタ抜かすなこのアホ バイブスだけのアホ


<チャレンジャー 晋平太:3ターン目>
さらっちまうぜ?笑っちまうぜ
お前がクソダセェ言われても動かねぇ
嘘じゃねぇ お前がマイク離して尻込みしてんぜ
また掴んだ これでファウル2 俺のラップ中
何見てる?これで勝負する
お前にラブがあってその胸ぐらを掴むラップを
本当にワルの文化だと思って広めるのか?


<モンスター T-Pablow:3ターン目>
おい テメェから触ったからやってんだよな?
テメェの事ぶっ飛ばすの簡単なんだよ
こっちはよ ストリートからステージ上がってやって来てんだよ
テメェ手加減してこっちだってオタクに頭下げてんだよ
テメェみてぇな奴によ 街中だって舐められてたらよ
(コンプラ)パン一発でぶっこんで終わりなんだよクソ
分かるか?おめぇB-BOYのビの字もねぇんだよカス
てめぇ死ねよ触んじゃねぇぞ


<終>

審査結果:モンスター2票(LiLy,ERONE) チャレンジャー3票(せいこー AFRA KEN)

IMG_3900
オンエア上では晋平太がT-Pablowに触れたシーンは見れなかった気がするんですが、どうもそういうわけで、ピリピリしてるT-Pablowが晋平太ッチによってついに沸点を越えてしまったようです。
2Round目、晋平太はパンチラインとライミングの雨あられで、滾るT-Pablowに冷静に辛辣なワードを浴びせていきます。特にパンチラインと感じたのは「憧れ?Jay-ZやBiggie 成りたがり お前は成り上がりじゃない 成りたがり」ですね。T-PablowのHIP HOPの指標であろうUS HIP HOPのレジェンド達(ここに彼の好きなEMINEMの名前があったらT-Pablowもっと怒ってただろうな・・)の名前をだして、ROUND1で散々晋平太を否定してきたT-PablowのHIP HOP観に対して強烈なディスを突きつけました。「お前の言うHIP HOPらしさってただのお前の憧れの人のHIP HOPじゃん?」っていう。この後のT-Pablowのバースは内容がただの罵詈雑言になってしまっていた事や「しゃらくせえ事言ってんな」っていう返しからも、T-Pablowなりに図星めいた何かに心当たりを少し感じてしまったのでしょうか。胸ぐら掴まれようが自分のバース中にマイクオフで乱入してこようが一切取り乱さず冷静に返した晋平太の完全勝利でした。そういえばT-Pablowは呂布カルマと対戦した際にも「KOHHが輸入してきたフロウのパクリ」とか言われてましたっけ。30すぎの熟年ラッパーたちが感じるところは割りと似てたりするんですね。
個人的に気になった晋平太のライン「その胸ぐらを掴むラップを本当にワルの文化だと思って広めるのか?」についてです。胸ぐらはともかく、これはHIP HOPの広め方におけるジレンマだと思います。今や脚光を浴びるバトルも、元々アングラの中のアングラで流行っていた文化ですし、B-BOY PARKなんか見てても別に今日のT-Pablowが珍しいことではないと思います。そして、アングラの文化こそHIP HOPの姿と考えるラッパーは当然いる。だから、そうしたラッパーにとって昨今のブームの中で「アングラらしさ」が失われつつあることに強烈な抵抗を感じることでしょう。HIP HOPが日の目を浴びるには当然多くの人に知られる必要がある。しかし、HIP HOPというものの好き嫌いを分かつ要因の一つがこのアングラらしさであり、この色が強いままでは、また一過性のブームで終わってしまう。ラッパーたちはこうしたジレンマとの葛藤の中で、日々自分たちが大好きなHIP HOPを発信し続けています。でも、色んなラッパーたちを見てて思うのが、彼らはHIP HOPを広めたいという熱い情熱と愛情で活動していますが、「広めるために媚びる」ってやり方は誰一人としてやっていないように思います。あくまで「これが俺の愛する、表現したいHIP HOPなんだ。それでよかったら是非聞いてくれ」と考えていると思っています。彼らラッパーたちにとって、文化を残す活動とは、「自分の中のHIP HOPのもとに、リリックを書き、音源を作り、CDを出し、ライブし、たまにバトルに出て名前売ったり金稼いだり、そうして自分たちのHIP HOPを広める。その結果、自分たちを入り口として、HIP HOPというものに興味を持ってくれれば。自分たちのHIP HOPを好きになってくれれば。あるいは逆の順番で、他のラッパーたちから自分たちを知ってくれれば」というものじゃないでしょうか。だから、T-Pablowにとって晋平太の行為は、そうした道理から外れた「HIP HOPを捨てた媚び売り」に見えたのではないでしょうか。

さて、来週は2010年UMB以来の再戦となるR-指定vs晋平太ですね。R-指定はバトルで晋平太に勝ったことはありませんし、そういう因縁はありますが、プライベートや仕事では仲良くやってる人たちなのでT-Pablowや漢のような戦いにはならないでしょうね、穏やかになりそうです(笑)。あとT-Pablowが大暴れした後なので、R-指定としてもペースは乱されてしまったでしょうし、お客さんが晋平太の味方になっちゃったので、R-指定は相当不利な戦いを強いられるでしょうね・・。

あと、6月27日配信の「漢さんたちとおさんぽ」に晋平太が出ています!!(笑) 要チェック!!
https://freshlive.tv/9sari/129815